二日目
6:03発の電車にのるべく、5時起床。
いよいよ今日から憧れの熊野古道です。
ルンルンで駅に向かったのですが、駅の時刻表に6:03発の電車がみつからない。
私が時刻を間違えていたことが発覚。
友達は怒ってはいなかったけど、きっちり確認をしなかった自分を責めている・・・みたいな独り言が聞こえました。笑
目指すはツヅラト峠。
梅ヶ谷駅で降りて、峠を越えて、紀伊長島駅に向かう行程です。
ところが梅ヶ谷駅は無人駅で、私たちのほかに降りた乗客は外国人2人だけ。
案内はこの錆びれた看板が一枚あるだけで、不安になるほどの静けさです。
さらに追い討ちをかける恐怖が・・・自動販売機がないんですよ。
水分を持たずに峠を越えるなんて、危険すぎてダメですよね。
不安でテンションが下がりきっていた頃、自販機を発見!!セーフ。
ここからが「ツヅラト峠」で、「伊勢国」と「紀伊国」の国境であった峠です。
この雄大な自然に包まれた道は、奈良、平安時代には僧侶が修行として通った場所。
私も4日分の荷物を背負って、同じ道を進みます。
これは「マムシグサ」
光沢があって今は緑色のかわいい実も、紅葉になると真っ赤になってとてもキレイなんです。
とても鮮やかで目を引き、つい触りたくなるのですが、毒があるので愛でるだけにしておきます。
名前の由来は、茎のまだら模様がマムシの柄と似ているからなんですって。なるほどねー。
ツヅラト峠は見上げれば杉、足元はシダが生えていて、花や落葉樹はほとんどありません。
だからなのか、秋だというのに虫の声がほとんどしないのです。
虫がいないから、鳥の声も聞こえません。
この日は風もほとんどなく、「静寂」がぴったりな道でした。
熊野古道の中では、他のルート(峠)とかなり離れていることもあってか、すれ違う人もありません。
何も分からず選んだ峠でしたが、オモシロイ道を選択したようです。
途中、谷川に架けられた橋を渡ると、石畳へと変わり本格的な山道に入りました。
左が上流ですが、上流の川幅は狭いのに、この小さな橋を堺に下流はぐっと広がっていました。
わずか60センチほどの橋の下はどうなっているのでしょうね。
私はそんなことばかり気になるのです。
水分補給をする程度の休憩を繰り返し、ツヅラト峠頂上に到着しました。
伊勢から熊野へ向かう参詣者は、ここに立って初めて熊野の海を目にしたのです。
その感動を私も!!と荒い呼吸を整えながら海を見ていたのですが、先に頂上に到着し、お昼ご飯を食べる人の姿を見てしまってから、急にお腹がすいてきて、感動もそこそこにおにぎりを食べることにしました。
私たちより先に到着されていたのは、結構年配のご夫婦でした。
本当にここまで登ってこられたのかと疑問に思うほどのご夫婦でしたが、楽しそうに会話をされる姿を拝見していると、私もこの方たちのように歳を重ねても山を歩きたいと願う気持ちになりました。
峠の下りは私のペースで下りましたが、また私の確認ミスで、乗ろうとしている電車が「特急」だと判明。
なので、予定より1時間前倒しで普通列車に乗るハメに。
峠でゆっくりおにぎりを食べた時間と、下りをゆっくり歩いた余裕を、一気に回収することになりました。
精一杯の早歩きをし、あまりのしんどさから会話をする余裕さえなくした私を励まそうと、友人の型破りの励ましがはじまりました。
友人の励ましにはストーリーがあって、ず~っと続くのですが、疲労困憊で実は内容は理解できていませんでした。
でもその気持ちは受け取っています。ありがとう、あの型破りな励まし、一生忘れないよ。
そして、なんとか電車到着1分前に駅に辿り着けました。
しんどくてもクスクス笑っている間は、気がまぎれて頑張れるものですね。友人のおかげです。
二日目の宿泊地、新宮市にはお昼過ぎに到着。
宿はこのアーケードの先なのですが、不安になるほどの静けさです。
ところがこの後、思いがけないほど素敵な出会いが待っていました。
それは宿泊先のオーナーです。
翌日の天気予報が雨であったため、せめて晴れている今日のうちに楽しい思い出を残してあげたいと、自分のボートに乗せて下さったんです。
この日の空の色も、風も、ボートの振動も思い出深いけど、「新宮に来たからにはいい思い出を」と気持ちを寄せてくださったオーナーに出会えたことは、私たちの思い出に鮮やかに残ることになりそうです。
オーナーとの出会いが、この旅のクライマックスなのかもしれません。
ボートを降りた後は、ここ熊野三山の一つ、「熊野速玉大社」に参拝。
前日伊勢神宮見てるし、滞在時間30秒で次へ移動。
手ぐらいは合わせたような気もしますが、なにしろ携帯しか持っていないので、お賽銭もなし。
友人は「この旅が安全に終えますように」と願ったそうですが、私はいつも「ありがとうございます」しか出てきません。
何にも考えていないのがバレますね。笑
熊野速玉大社のあとは、「神倉神社」。
こちらはご覧の通り、信じられないほどの急階段で、もうギャグの世界としか思えない階段なんです。
神社に興味があるわけではないけど、この危ない階段を上ってみないという選択肢はありません。
私は福山駅の新幹線ホームまでのエスカレーターでさえ恐怖心を抱くので、腰が抜けそうになりながらも、這うようにして手をつきながら上りました。
悠々と上っていった友人にあっさりおいて行かれ、一人で恐怖と闘いながら這いつくばっていたら、この爽やかなカップルに「もう少しで緩やかになりますからがんばってください。下りは慣れますから、大丈夫ですよ」って励まされ、嬉しさからどうしても2人の写真が撮りたくて半分寝そべるようにして携帯を取り出したのがこの一枚です。
ありがとー、若いお2人。
さて旅のお楽しみの一つは、その土地でしか食べられないお料理ですよね。
新宮は「クジラ」が有名な街。
それにしたって、「クジラの食べ比べ」これで1人前なんです。しかも、700円とは破格ではありませんか!?
これがまた新鮮で美味しいのです。
新宮、とても遠い所ですが、また行きたいと思える街でした。
で、こちらは乾太くんの新型。
7月に発売されたばかりの乾太くんが、もう設置されていたんです。
オーナー、私はこの価値、誰よりも分かっていますからね。
すごい!スゴイ!!凄いよー!!!
ということで、二日目終了。
明日も6時起床と早いので、早々に就寝。
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